【示談に応じるべきか?|治療費打ち切りへの対応】

慌てて応じると被害者に不利なことばかり

治療を開始して数カ月経つと治療費が打ち切られることが多い。

 

そして打ち切りの通知に同封されて届くのが示談書です。

 

支払いも苦しいし、仕事も休んでるので収入もない。

 

示談に応じて早くお金を手に入れた方がいいのかも…と気持ちが揺らいでいきます。

 

しかし、ちょっと待って下さい、というのがこのページのテーマです。

 

交通事故に強いおすすめの弁護士

 

示談金の相場を理解しているのか?

第一に、相手が提示してきた示談金が妥当な額か判断する基準を持っていますか、ということです。

 

交通事故の損害賠償金の金額基準は、実は複数あります。

 

平たく言えば安い基準と高い基準があるのです。

 

詳しくは「自賠責基準と弁護士基準」のページを読んでください。

 

保険屋の言うことをうのみにして示談に応じたら、とんでもない損をする可能性が高いのです。

 

後遺障害等級が取れなくなる

手足が欠損したり、失明した場合は、後遺障害の存在は他人の目にも明らかで、間違いなく後遺障害等級が取れます。

 

しかし、むち打ち(頸椎捻挫)のように本人にしか症状がわからない者は、治療の継続と医師の診断が判断材料になります。

 

もし、本当に3カ月経っても相当な症状が残っているなら、後遺障害に該当するものかもしれません。

 

むち打ち(頸椎捻挫)と診断されていたが、別の医師に診てもらうと実はそれより重い頚椎損傷なのかもしれない。

 

そして示談の提示金額より、何百万円も多く受け取る資格があるのかもしれません。

 

そんな事例を、すでにトップページで見ていただいたはずです。

 

しかし、それも等級認定の前に示談に応じてしまえば不可能になります。

 

保険会社が示談を急ぐのは、後遺障害等級の認定が取れるか微妙な時に取得を防止して、保険金を抑える狙いもあるのです。

 

あとで請求できる損害がある

メインページで説明したように、治療費の打ち切りは請求できる治療費がそこまでだということではないです。

 

本来、治療費は治療が完了した時点、すなわち症状固定の診断が出た時に確定します。

 

そしてその時点で本請求するものなのです。

 

治療中に支給される治療費は、その金額を絶対超えない範囲の内払いにすぎません。

 

治療費はもちろん、通院費、付添看護費、入院雑費なども後で請求できます。

 

詳しくは「治療関係費を後で本請求」のページを読んでください。

 

「そうは言っても仕事を休んでいるから、収入もないし…」

 

いやいや、休業損害も後で請求できるのです。

 

詳しくは「休業損害は請求できる」のページを読んでください。

 

実際にお金が入ってくるのは少し後になりますが、以上のようにいろいろな損害賠償が請求できます。

 

当座のお金が何とかなるなら、示談は棚上げして、もう少し研究したほうがよくないですか?

 

当面のお金をもらう方法はほかにもある

「簡単に示談に応じると大損する可能性があることはわかった。後から請求できるお金があることもわかった。しかし、そうは言っても、本当に当面のお金がないんだ。」

 

そういう方もいると思います。

 

とにかく、今すぐお金が足りない。

 

そういう方はまず、健康保険に切り替えて治療費の支払いを下げてください。

 

そして他の治療費調達方法のページを読んでください。

 

そして自賠責の被害者請求や労災があなたを救ってくれるかもしれません。

 

加害者の弁護士が示談を求めてきた場合

ここまで説明してきたのは、相手の加入する任意保険会社が申し入れてきた示談の話です。

 

その内容は損害賠償に関わることだけで、言い換えると民事の範囲です。

 

しかし、場合によっては加害者が雇った弁護士が示談を申し入れてくることがあります。

 

これは、飲酒運転や無謀な信号無視などで加害者に刑事罰が予想される場合に、それを軽減するために雇われた弁護士です。

 

この場合、示談の目的は刑事罰の軽減です。

 

示談が成立したということは被害者と和解済みと解釈され、減刑の大きな判断材料になるのです。

 

だから、もしあなたが相手の事を許せなくて厳罰を望んでいるなら、示談に応じるべきではないです。

 

むしろ、検察庁に出向いて、厳罰を望んでいることを検察官に伝えるべきです。

 

慌てて示談に応じて良いことは何もない

以上のように、相手が示談を急ぐのは常に自分の利益を図ってのことです。

 

下調べも戦略もなく応じたら、あなたはただただ大損をするのです。

 

ちょっと我慢してじっくり考えてから対応方法を決めましょう。

 

できることなら、あなたも弁護士を雇って示談交渉を任せるのが理想です。

 

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