【後遺障害事故保険金の内訳と請求|治療費打ち切りへの対応】

症状固定後の人生の損失

後遺障害に対して支払われる保険金について説明します。

 

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後遺障害損害とは?

主要なものとして次の2つがあり、重度の障害では巨額になります。

 

後遺障害慰謝料 後遺障害を背負って残りの人生を生きる肉体的・精神的苦痛をいたわるお金。
後遺障害逸失利益 後遺障害を背負って残りの人生を生きる経済的損失を補償するお金。

 

ほかにも障害の内容によって下記のような費用を請求できます。

 

将来介護費 介護が必要な障害を負った場合に、残りの人生での介護費用。
装具購入費 松葉づえ、義肢、義足、車いす、義眼などの将来にわたる購入費用。
家屋・自動車等改造費 家に手すりをつける、車いすで乗れるよう車を改造する、といった場合の費用。

 

症状固定と等級取得が確定の前提

後遺障害損害の確定は、症状固定の診断の後です。

 

治療中はもっと改善する可能性もあり、障害の程度は不確定だからです。

 

症状固定になったら、次は後遺障害等級の認定を受けます。

 

後遺障害の深刻さは個人の受け止め方にも左右されてしまうので、客観的な共通の物差しに当てはめるのです。

 

後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益の算定では、この等級が主要な役割を果たします。

 

等級取得までできていて、やっと損害の確定に進めます。

 

後遺障害損害の確定

自賠責保険の後遺障害保険金は、慰謝料と逸失利益を含むものと位置付けられ、後遺障害等級で自動的に決まります。

 

任意保険の会社は、この金額に何割か上乗せした程度の金額で済まそうとしてきます。

 

正当な金額を受け取るには、慰謝料と逸失利益を分けて、緻密に論理を組み立てて交渉する必要があります。

 

まず、慰謝料は等級が影響するとともに、交渉力にも左右されます。

 

高い金額基準である弁護士基準(裁判所基準)で請求すべきですが、弁護士の力を借りないとなかなか話は通りません。

 

一方、後遺障害逸失利益は、残りの人生における、障害が原因の収入減で、もちろん推定額です。

 

等級ごとに定められている労働能力喪失率と、被害者の年齢や事故直前の年収額などを使用して計算します。

 

当然、数学や物理学のように一通りに計算できるものではないですから、論理構築力・交渉力で金額は大きく変わります。

 

治療費打ち切りとの関係

ここまでの話で、少しでも高い後遺障害等級を取ることが非常に大切なことが分かったと思います。

 

治療費を打ち切られて治療を長く中断してしまうと、この等級取得で非常に不利になります。

 

「治療を中断できたのは症状が軽かったから」と判断され、この等級が低くなったり、取れなくなったりします。

 

特に「右手首が欠損」といった障害と違って、むち打ちなどは外観から程度が判断できません。

 

よって医師の意見と、治療を継続したかどうかが等級認定の大きな判断材料になるのです。

 

治療の中断によって、認定される等級が下がると保険金の支払いは圧倒的に少なくて済みます。

 

これこそ、保険会社が狙っていることなのです。

 

本当に障害が残りそうなら、迷わず健康保険に切り替えて、自費で治療を継続していただきたいです。

 

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